洋書とともに生きていく。

趣味で洋書を読んでいます。本の感想、英語の勉強などについてつづります。

【洋書レビュー】To All the Boys I've Loved Before 恋愛だけじゃない!夢見がちな女の子の微笑ましい成長物語

あらすじ

16歳の高校生ララ・ジーンは、引っ込み思案で夢見がちな女の子。好きな男の子ができるたびに、秘めた思いを手紙に書きつづっては、相手に手渡すことなく秘密の箱にしまいこんでいた。ところがある日、出すつもりのなかったそれらの手紙が、なぜか相手のもとに届けられてしまった!手紙の届いた5人のうち、姉の彼氏のジョシュ、そしてかつての友人ピーターとの間で、それぞれの思惑がからみ合う複雑な展開となり…。

Netflixで8月に配信開始となったオリジナル映画『好きだった君へのラブレター』の原作です。

いきなり話は逸れますが(すみません)、ここだけの話、わたしはいい歳をして英国のボーイバンドOne Direction(ワン・ダイレクション、以下1D)のファンなのです。Twitterでは海外の1Dファン(主に10代から20代の女の子)のアカウントをいくつかフォローさせてもらってますが、9月に入ったあたりから、1Dファン経由でこの映画に関するツイートが頻繁に流れてくるようになりました。

主人公がアジア系の女の子、そして相手役の男の子がイケメンということでわたしのタイムラインは大騒ぎになっていましたが、それ以外の部分でも何かと話題が多く(ちなみに1Dファンが騒いでいた一番の理由は「主人公の部屋のセットに1Dのハリー・スタイルズのアルバムジャケットらしきものが映っていたから」)、特にわたしの目を引いたのがこちらのツイート。この件は日本のニュースサイトでも伝えられていましたね。

主人公の意中の相手の一人がヤクルトを飲むシーンがあり、商品名の言及などは一切なかったにも関わらず、これを見たワールドワイドの視聴者がヤクルト売り場に殺到したというのです。上のツイート主はニュースを引用し「みんな、わたしのお気に入りのドリンク飲むのやめてよ!値段が上がっちゃうじゃないの」と憤慨している様子。10年ぐらい前に日本で「納豆ダイエット」なるものが流行って一時スーパーから納豆が姿を消したとき、わたしが全く同じようにボヤいていたことを思い出しました。

まあそれはさておき、こんな風に世界規模で盛り上がっている様子を見ると、もともとロマコメ好きなわたしとしては、俄然この映画に興味がわいてきます。しかし、ベストセラー小説が原作となれば、ロマコメよりも先に無類の本好きであるわたしとしては、やはり映像を見る前に原作を読むのが筋(?)というもの。ということで、早速Amazonでペーパーバック版をポチリ。翌日、わたしの元にその本は届いたのでした。

 なんといっても、カバーデザインが可愛い。

All the Boys I've Loved Before カバー表

マジックペンの直筆のようなタイトルのフォントがまず良いし、モデルの女の子も可愛い(映画の主役の子もチャーミングだけどね)。この女の子、顔立ちは大人っぽいんですが、裏表紙を見ると…

All the Boys I've Loved Before カバー裏

このハイソックスで一気に幼いイメージに。少女と大人のあいだで揺れ動く微妙な時期の雰囲気がよく現れていますよね。

肝心の本の中身の感想。

この本の題名を直訳すると『かつてわたしが好きだったすべての男の子たちへ』。当初、このタイトルとNetflixのあらすじだけを見て、「好きだった男の子たちに書いた手紙が勝手にバラ撒かれた結果、地味だったわたしにモテ期が来ちゃった!どうしよう!」的なストーリーを勝手に想像してしまったのですが、その予測はいい意味で裏切られました。

モテ期うんぬんの話ではなかった上に、主人公の恋愛模様だけでなく、家族との関係がかなり重点的に描かれており、それが本書のキモになっているのです。

主人公のララ・ジーンは、父親、姉、妹との4人家族。幼い頃に母親を亡くして以来、しっかり者の姉に頼り切った生活を送っていました。ところがその姉がスコットランドの大学に留学することになり、医師として忙しい毎日を送る父親とマイペースな妹を姉に代わって支えつつ、自分の面倒は自分で見なければいけなくなります。彼女なりに努力はするものの、なかなか思った通りにはいきません。そこへ例のラブレター騒動が勃発し、にっちもさっちも行かなくなるララ・ジーン。しかし、家族の優しさに助けられながら、ララ・ジーンは小さな歩幅で少しずつ前に進み、自分を取り巻く人間関係や恋愛への答えを見つけていくのです。

読み進めるうちに、どこまでもどんくさいララ・ジーンが好きになり、応援したくなってきます。最後の数章は泣きながら読みました。そして、「えっ、ここで終わりやがるのか!」という絶妙なタイミングでのエンディングに、わたしはすぐさま続編2冊を追加購入してしまったのでした…。Jenny Hanさんの術中にまんまとハマったわたし。

All the Boys I've Loved Before 続編  

とにかく先が気になる…そして今日もまた本が積み上がる…。

◆その他のポイント◆

  • アジア系アメリカ人の日常が垣間見えて面白い。たとえば、日本でもすっかりおなじみになったハロウィンパーティーアメリカに住むアジア人が仮装する場合には、それなりの制約があるらしい…というようなことがわかったり。
  • 学校生活、きょうだいとの関係…「ティーンあるある」が満載。
  • 映画で話題になった「ヤクルト」、原作にも出てきます。他にもポッキーとか。
  • 英語は平易で読みやすい。日常会話で使えそうなフレーズもたくさん。
  • 最後まで読むと、改めて映画の邦題「好きだった君へのラブレター」は秀逸!